ニュース&トピックス



漢方の話--- めまい

  鉄砲洲診療所所長
  沖山 明彦

 めまいは気になる症状のひとつです。ぐるぐる回転するめまい、たちくらみ、体が揺れるようなめまい、上を向いて物を取ろうとしたり、急に下を向いた時のめまい、髪を洗うときのめまい、頭や首を強く打った後のめまい、いろいろなめまいがあります。神経内科や脳神経外科などで診察を受けることは大事なことです。その結果、悪いものや急な治療を要する病気がなく、「つき合ってゆくつもりで」ということになったら、漢方を試してみるのも一つの選択です。また漢方を一緒に取り入れて、一般の薬と併用して治療する病院も増えてきています。

 めまいで最初に選ばれるのが「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」です。めまいは「水毒」からと考えます。水が胃に停滞し(胃内停水:胃のちゃぽちゃぽ音)、胃の元気がなくなり、気は上昇し、水も逆上し、上半身に水分がとどこおり、めまい、頭痛、なみだ目など水毒の症状がでてくるとみます。「茯苓(ぶくりょう)は利水薬で尿の回数が多い、少ないを調整し、胃内停水や動悸、筋肉の麻痺を改善します。」「朮(じゅつ)」は、芳香健胃薬で、また利水薬です。「桂枝(けいし)」は血管を拡張して、血行をよくし、体を温め、発汗、解熱作用、鎮痛作用があります。体表の毒をとると理解されています。「甘草(かんぞう)」はいろいろな生薬の作用を調節し、消化・吸収も助けます。

 この4種類の生薬の各一字「苓・桂・朮・甘」をつけたのがこの漢方です。やせて胃が虚弱で手足が冷え、食後すぐ眠くなり、たちくらみ様のめまいやふらつきには、「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」です。この漢方は、激しくはないが、前頭部から頭頂部にかけての頭痛に用いられることでも知られています。自律神経失調症や更年期障害などでの頭痛、肩こり、不眠などにともなうめまいには、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」が試されます。回転性めまいや頭痛、吐き気がある場合は、「五苓散(ごれいさん)」です。この漢方は激しい頭痛や吐き気、嘔吐、二日酔いにも処方されます。比較的体力があり、高血圧、脳血管障害などで、あから顔、目の充血、鼻血などののぼせ症状があり、いらいら、不眠、不安を伴うめまいには、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」がよいでしょう。この漢方は二日酔いにもまたその予防にも使われます。食養生では、水毒のめまいがある場合は、水分のとりすぎと冷えに注意する。特に、冷たいものを摂りすぎて胃に負担をかけないことを強調しています。

 めまいの話が二日酔いの話になったことをお許しください。