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病気の話----頻尿・尿失禁

大泉生協病院・泌尿器科医師
梅田 隆

 排尿の回数が増える状態を頻尿といいます。普通、日中の排尿は4〜7回ですが、9回以上なら昼間頻尿と言います。夜間は1回でも起きて排尿する場合、夜間頻尿といいます。

 頻尿が増悪すると自分の意思に反して尿が漏れ、日常生活に支障をきたす尿失禁になります。

 尿失禁には咳やくしゃみ、急激に腹圧を高めるような動作によって起こる腹圧性尿失禁、急に尿意が襲い膀胱が不随意に収縮して尿が漏れる切迫性尿失禁があります。女性は特有の下部尿路の解剖学的構造、出産や加齢に伴う尿道筋肉の弱まりによって尿失禁が起り易くなります。頻尿、尿失禁の原因となる疾患には尿路感染症、過活動膀胱、尿が貯まると膀胱部が痛む間質性膀胱炎、糖尿病、脳血管障害、骨盤内腫瘍根治術後の神経障害、前立腺肥大症があります。身体活動の低下した高齢者では排尿動作に時間がかかるため、失禁してしまうことが多いものです。治療は原疾患によって異なります。

 前立腺肥大症には排尿筋のアドレナリン受容体を遮断して排尿の抵抗を減ずる塩酸タムスロシン(ハルナール)、最近発売された前立腺肥大を抑制するデユタステリド(アボルブ)があります。過活動膀胱にはコハク酸ソリフェナジン(ベシケア)を処方します。

 女性の尿漏れには膀胱訓練で尿を貯められるように骨盤底の筋肉を鍛える体操を行います。外科的手術も行われています。前立腺肥大症の症状が増悪すると経尿道的に前立腺組織を切除します。60歳以上の在宅高齢者の男性11%、女性の24%が2〜3ヶ月に1度以上の尿失禁を経験し、そのうち10%の人しか治療を受けていません。

 前立腺癌など悪性腫瘍によっても頻尿、尿失禁の症状を認めますから、早い時期に泌尿器科専門医を受診されて、検査を受け適切な治療を受けられることを勧めます。