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病気の話----はしか

大泉生協病院 医師・院長
齋藤 文洋

 「厚労省、今日「はしか」エリミネーション(排除)を宣言」、こんな記事が新聞の一面を飾る日も遠くないかも知れません。

 かつては「命定め」とまで言われた「はしか」。2003年と2007年の国内大流行を契機にはしか後進国・予防接種後進国の汚名返上を目指して、新たな方向へ舵を切った厚労省。いよいよ来年、「はしか」エリミネーションの予定ですが…。

 現在、「はしか」予防接種は、麻しん風疹の混合ワクチンにより行われています。接種対象者は、1〜2歳の児、5〜7歳の就学前1年以内の児、中学一年生、平成23年度の高校2年生、そして、高校3年生。ただし、中1、高3は来年度までの暫定処置、高2は保護者が保健所に接種希望を申請した場合のみ、となっています。小学校以上、高3以下でまだ1回しかワクチンを接種していない人は、今日にでも保健所に問い合わせを!

 前立腺肥大症には排尿筋のアドレナリン受容体を遮断して排尿の抵抗を減ずる塩酸タムスロシン(ハルナール)、最近発売された前立腺肥大を抑制するデユタステリド(アボルブ)があります。過活動膀胱にはコハク酸ソリフェナジン(ベシケア)を処方します。

 ところで、最近、「はしか」流行に注意というアナウンスがあったのを皆さんご存知でしょうか?震災以後現在まで、例年になく、「はしか」が多いのです。現在の緊急予防接種施策により、2008年以後急速に「はしか」は減少し、今年2月までは東京都では月に0〜数名の発症数で、稀な疾患となっていました。その為、はしかを診断できる医師の減少が生じ、「はしか」と報告された方々の咽頭からウイルスを採取し遺伝子検査で確認する必要があるほどの状態になって来ました。ところが、東日本大震災直後、急速に発症数が増え、東京都では今年に入ってすでに100人を超える「はしか」が発生しています。間もなく排除と言う時に、どうした事でしょう!
ここで、遺伝子レベルで確認している事が、その原因追求に幸いしました。何と「輸入はしか」が大部分だったのです。震災に伴い、多くの国からジャーナリストが来日しました。その中には、「親の方針」でワクチン接種をしていなかった人もいました。

 そうした人が、日本で「はしか」発症。これが周囲の日本人に感染。そして広がったようです。

 輸入感染症として「はしか」が問題になるということは国内には「はしか」はほとんどいないと言う事。排除宣言がいよいよ現実のものとなった証かも知れません。