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介護の現場から-(9)


夫の最期に寄り添えてよかった…
 介護事業部長 齋藤恵子 

 大泉生協病院に入院中のAさん(77歳)はすい臓がんの末期でしたが、帰宅を望んでおられました。しかし、奥さんは自宅で看病することに強い不安をもち、一旦は連れて帰ることを決意しましたが、直前になり「やはり無理」と退院を断わってきました。しかし、本人の希望をなんとか叶えたいと病棟カンファレンスに奥さんにも参加していただき不安に思うことを出してもらいました。訪問看護師がお手伝いできることを伝え、退院が決まり早速、ボート池前診療所の往診と大泉訪問看護ステーションの訪問看護が始まりました。

 癌の終末期では、痛みや苦痛を取ることが大切です。Aさんは幸い麻薬の貼り薬と注射で対応できました。病棟の看護師も自宅を訪問して奥さんを励ましました。退院して14日目、家族に看取られてAさんは穏やかに亡くなりました。奥さんは「家族で大切な時間を過ごすことができてよかった」と家での看護を振りかえります。

 家族の死に向き合うのは、心身ともに大変なことです。加えて医療処置を伴えばさらに不安は大きくなります。そんな家族を支えるのが在宅医療・看護の役割だと思います。