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第6次中期構想のメインテーマは「在宅でのケアシステム」づくり

「24 時間365日」サポートシステムの創造を

齋藤文洋院長

 現在、東京保健生活協同組合の第6次中期構想の検討がすすめられています。これは2012年〜17年までの事業や運動の方向性を示すものです。構想委員会の齋藤文洋委員長(大泉生協病院長)に概要を伺いました。

―第6次中期構想をとりまく状況は?
医療介護同時診療報酬改定による国民皆保険制度の形骸化
 今春、医療と介護の診療報酬の同時改訂が行われます。これにより、医療の仕組みが大きく変わります。従来の医療は医療機関を中心に行われてきましたが、今後は「住んでいる地域(在宅・生活の場)」が医療の現場になっていきます。
厚労省は自助・共助・公助といっています。「自分でがんばりなさい。ダメなら周りの人に助けを求めなさい。それでだめなら公的機関がお助けしましょう」ということで、公的な責任は後回しにしています。結果的に国民皆保険制度を根本からくつがえしかねない恐れもあります。

 しかし、医療福祉生協は元々「地域」をベースに国民皆保険制度のもと「万人に平等に医療を提供する」ということを実践してきました。まさに、今日、世の中全体がこのことを実践せざるをえない状況になってきたわけです。私たちは、ますます地域を大事にして、地域の中で医療を実践し、これを逆手にとって、国民皆保険制度を守る運動を展開していかなければいけない時期にあります。

 医療の現場が病院中心から在宅へ移ります。「自宅で病気とともに生きる」「人として尊厳を保ち、最後まで地域で生き抜く」ということがコンセプトになります。その実現のために私たちに何ができ、如何に実践するかが第6次中期構想の概要です。

―具体的な課題としてはどのようなことがありますか?
メインテーマは地域という場のケアシステムづくり
 「24時間365日」のサービスをどのように実践していくのかが大きな課題となります。ヘルプを求められたらいつでも応えられるサービスを提供するシステムづくりが必要で、そのためにはマンパワーも必要です。私たちは以前から、往診や訪問看護、訪問介護などを行い、地域とのつながりがあります。また、地域には班があり、組合員が自分たちの健康を守る活動をしてきました。これらの実践を生かしたしくみづくりが必要となります。

組合員の活動を通して医療・介護サービスにつなげる
 しかし、今あるサービスだけではその実践はまかないきれません。認知症や独居の方が増える中で、地域の困りごとを医療や介護サービスにつなげるコーディネータが必要となっています。例えば、東京保健生協には1500人余りの認知症サポーターの方おられますが、例えば,このサポーターの方々に協力して頂き、組合員活動の中で困りごとを発見し、情報をコーディネータに集中して、医療・介護サービスにつなげる。その後ろに病院が控えていると言う様なシステムです。

病院の役割は従来の延長にはない
 病院の役割は従来の延長線上には有りません。「病院」が地域の人々の生活を支えるには何をしたらよいのかということを改めてじっくり議論することが必要です。地域に出て地域の状況を知ること。また全体の医療がどうなっているのかを地域の組合員から学んでほしいと思います。その中で「病院」はすべきことを選択しなければなりません。


―組合員・職員のみなさんへ
 今回、健生・大泉両病院がWHO(世界保健機関)のHPH(健康増進活動拠点病院)に登録しました。病院も地域の健康増進に関わろうというものです。HPHの役割は、@地域の健康増進、A職員の健康増進、B病院としての医療の実践の3つです。まさに今後の日本の医療の在り方を言い表すネットワークです。職員のみなさんには「地域に目を向け、病院の中にとどまらず、病院の中で学んだことを地域で実践してほしい」と思います。また、組合員のみなさんには、地域での活動の様子や情報を元に、職員と共に話し合い、双方向性に情報交換をしていただきたいと思います。

第6次中期構想(案)は総代会に提案される予定です。