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漢方の話… 八十八夜と頭痛

  鉄砲洲診療所所長
  沖山 明彦
 

「夏も近づく八十八夜」立春から87日たつとこの日です。今年は閏年なので、5月1日になります。

 5月1日はメーデーですが、この「文部省唱歌」は、労働歌ともいえます。「野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みぢゃないか、茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠」。子どものころ「せっせっせーのよいよいよい」で始まる手遊びの歌でもつかわれましたが、あの手つきは茶摘みの形だとも言われています。さて、この茜は染色用で有名です。ある草木染名人は、素手で茶摘をして指先に怪我をしたときに、止血作用のある茜を擦り込んで作業を続ける先人の智恵ではないかと伝えています。確かに茜はその根や根茎が薬用となり、生薬名は「茜草根(そうそうこん)」といいます。止血、血の流れの滞りを改善する、抗菌、去痰作用があります。そこで、子宮出血、鼻出血、吐血、無月経、などの漢方に用いられ、特に、炭にしたものは、止血作用が強いことが知られています。

  さて漢方では乾燥した緑茶の葉を生薬として「茶葉(ちゃよう)」と呼びます。茶葉はその成分として、カフェイン、テオフィリン、ビタミンC、フラボノイド、アミノ酸などが知られ、現代医学でもたくさんの薬効が明らかになっています。漢方では、「頭痛、めまい、頭重感などの症状を治療する」、「排尿を促進する」、「下痢を止める」などの効能があるとしています。茶葉を含んだ漢方に「川?茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)」があります。木下繁太朗先生の漢方の本には、「体力の強弱にかかわらず、頭痛、感冒に用い、古くから女性の血の道による頭痛の薬として有名なものです」と書かれています。この漢方は茶葉の他に「川?(せんきゅう)」「香附子(こうぶし)」「白?(びゃくし)」「羌活(きょうかつ)」など「痛みを止める」生薬が数種含まれています。特に、「川?」には頭痛以外に腹痛、筋肉痛、関節痛そして生理痛に有効なことが知られています。

  今宵のオチャケは「マチダヤ」さんお奨めの「天狗舞」。