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病気の話…認知症について(2)有効な予防

東京保健生協精神科部長・大泉生協病院精神科 
中島 昭
 

 今年、練馬の3つの支部で「認知症とせん妄」というテーマで保健講座を行ってきました。参加者の方から「もの忘れを自覚するようになって、日記をつけるようにしていますが予防になりますか」と質問。今回は、予防で有効なことを整理します。

(1)生活習慣病の治療。糖尿病、高血圧症、脂質異常症など生活習慣病がある場合は、その内科治療に取り組む事が、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の予防に直結します。

(2)歯牙喪失の改善。認知症が高度の方では食行動の低下がたいへん多く見られます。咀嚼、栄養摂取の要である歯。虫歯の治療、自分に合った入れ歯は、栄養を摂る事、楽しむ事の土台となります。

(3)十分な睡眠。健康な方の睡眠時間は加齢とともに増加していきます。脳を守るために、子どものように睡眠時間が増えていく事が自然です。1日合計8時間前後の睡眠、トイレなどの途中覚醒は2回以内が目安です。

(4)バランスの良い食事。戦後食料難の時でさえ1日平均1900kcalを摂ろうと努力していましたが、近年は高齢者の方の中に低栄養傾向の方が少なくありません。個人差がありますが、標準体重(BMI=22)、自分が健康であった時の体重が基本となります(糖尿病のカロリー制限、心・腎疾患の方の塩分制限、体重制限の方は担当医の助言を参考に)。

(5)運動。自分の身体機能と体調に即して軽い有酸素運動(20分を目安とした散歩、水泳、体操など)に取り組みましょう。

(6)社会活動と役割。家族や友人、仲間との会話、そしてその中での役割を受け持つこと、人間関係にはストレスもつきものですが、これらが精神機能、認知機能の維持の基本になります。話し合い、音楽、体操、俳句・短歌、絵画、学習会、催しの企画など。生協の班活動は、社会性の喚起、心身の健康にもつながっていますね。日記をつける事は、自分の行動と社会との関係を振り返る事、一人でできるたいへん有効な予防法であると考えます。