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身近な法律相談…私の死後に兄弟が相続のことで揉めないようにしたいが〜

 東京保健生協顧問団=城北法律事務所/弁護士・田見高秀 弁護士・大川原栄  弁護士・加藤幸(執筆担当)

私は、子どもが2人おり、家業である青果店は長男が継いでいて、次男は会社員をしています。夫とはすでに死別しています。財産として預金、青果店の建物と敷地があります。私の死後、長男には青果店の建物と敷地を相続させたいと思っています。また、私の死後に兄弟が相続のことで揉めないようにしたいです。どうすればいいでしょうか?

 [回答] 自分が死亡した後の遺産の分け方(遺産分割)について希望がある場合には、遺言を残しておくのがいいでしょう。

 遺産分割は自分が死んだ後のことなので、遺言で希望を明確にしておかないと、死後に相続争いが起きたり、自分の希望とは異なる内容になることが十分に考えられます。

 仮に、生前から親が子どもらに対し、自分が死んだ後の遺産分割の内容について希望を伝えていて、子どもが了承していたとしても、いざ親が死んで相続という段階になると、子どもらの間で相続争いが起きるという事態もよくあります。

 遺言には、自筆遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言の三種類があります。このうちよく利用されるのは自筆証書遺言と公正証書遺言ですが、相続争いを避けるという観点からは、公正証書遺言の利用が望ましいといえます。

 自筆証書遺言とは、自分で手書きで作成する遺言のことで、公正証書とは公証人に作成してもらう遺言です。自筆証書遺言には、法律上、有効とされる要件(全文が本人の手書きであること、署名があること、日付の記載があること、捺印があること)が必要とされており、これらの要件を一つでも欠けば無効となってしまいます。また、偽造や変造の可能性もあるため、せっかく遺言を作成しても、死後に相続人が「偽造されたものだから無効だ」と主張して裁判になる場合もあります。他方、公正証書遺言は、公証人が証人2名の立ち会いの下に作成し、原本は公証人役場に保管されますので、遺言の有効性が問題となる場合はほとんどありません。

 今回の相談者の方の場合、青果店の建物と敷地を長男に相続させるという内容の公正証書遺言を作成しておくのがいいでしょう。預金についてもどのように分けるのか遺言書の中に記載しておくといいです。
 城北法律事務所では、公正証書遺言、自筆証書遺言、秘密証書遺言いずれの作成についてもご相談をお受けしています。どうぞお気軽にご相談下さい。

 ※東京健生病院・大泉生協病院では月1回、城北法律事務所の弁護士さんによる法律相談を無料で実施しております。希望される方は病院職員にお尋ね下さい。