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身近な法律相談…脳梗塞で筆記が不可能〜遺言書が作れる?

 東京保健生協顧問団=城北法律事務所/弁護士・田見高秀 弁護士・大川原栄  弁護士・加藤幸(執筆担当)

私の夫が遺言書を作りたいと言っています。しかし、夫は脳梗塞の後遺症のため筆記が不可能で、歩行も困難です。夫のような場合でも遺言書が作れるでしょうか?

 [回答] 公正証書遺言であれば遺言を残すことが可能です。前回もお話ししたように、公正証書遺言とは公証人が作成する遺言で、自筆証書遺言のように手書きで作成する必要はありませんし、署名ができない場合でも公証人がその事由を附記して署名に代えることができますので、まったく字が書けない人でも作成することができます。

 また、公正証書遺言の作成にあたって、公証人は、遺言者が本人に間違いないことや、遺言者に意思能力があること、遺言の内容が本人の真意によることなどを確認しますので、後々、遺言当時の判断能力が問題になったり、内容に誤りがあると問題になったりして遺言が無効になる可能性はほとんどありません。原本は公証役場に保管されますので、紛失の心配もありません。

 公正証書遺言を作成する場合、@証人二人の立ち会いのもと、遺言者(遺言を残す人)が遺言の内容を公証人に口頭で話す、A公証人が、遺言者の話を筆記して遺言書を作り、遺言者と証人に読み聞かせる、B遺言者と証人が筆記の内容が正確なことを確認して署名、捺印する(遺言者が署名できない場合、公証人がその事由を附記して署名に代えることができます)、C公証人が、以上の方式に従って作成したことを附記して署名、捺印する、という手続きが必要です。

 通常は公証役場に出向いて作成しますが、歩行が困難で外出ができない場合は、自宅や入院先に公証人に出張してもらって作成することもできます。

 公正証書遺言では、証人が二人必要になりますので、証人に遺言の内容がわかってしまうことを心配される方もいますが、守秘義務を負っている弁護士が証人となれば、事前に遺言の内容が漏れる心配はありません。弁護士に遺言の作成を依頼いただいた場合には、どのような内容の遺言にするかについてのアドバイスや、公証人との事前の打ち合わせ、日程調整などを弁護士が行いますし、遺言作成の際にも立ち会います。証人にも弁護士がなることも可能です。

 当事務所では毎年多くの遺言作成に関わっており、経験豊富な弁護士が多数在籍しております。遺言の作成をお考えの場合は、お気軽にご相談下さい。

 ※東京健生病院・大泉生協病院では月1回、城北法律事務所の弁護士さんによる法律相談を無料で実施しております。希望される方は病院職員にお尋ね下さい。