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漢方の話… 「いらいら・カリカリ」と抑肝散

  鉄砲洲診療所所長
  沖山 明彦
 

 5月下旬から6月にかけ、鹿児島で漢方の学会がありました。精神科の先生のお話。認知症に「抑肝散(よくかんさん)」が処方されて、その随伴症状の改善が広く知られるようになったが、それだけではない。講演要旨を引用します。「抑肝散」は精神疾患の種類とは無関係に、「脳の不安定」による「いらいらやカリカリ」を緩和することで「症状への捕らわれ」や「衝動性」を鎮め、「脳の安定化」をもたらす。この時代にこどもから大人まで応用範囲は広い。最大の関心は統合失調症に併薬し、維持量を減量できないかである。さて、

 「抑肝散」は「四逆散(しぎゃくさん)」の変方といわれます。四逆とは手足の末端から逆に冷えが、肘や膝以上におよび、癇(かん)がたかぶり、神経過敏になっている状態です。「抑肝散」はもともと小児のひきつけに用いられました。その後、江戸時代頃から大人にも処方されるようになりました。興奮しやすい、いらいら、癇癪(かんしゃく)持ち、不眠、チック、小児の引きつけ、夜泣き、てんかん、歯ぎしり、めまい、手足の痙攣、元気がないなど。病名では、自律神経失調症、脳血管障害、更年期症候群、パーキンソン病、不眠症、認知症などです。主薬の「釣藤鈎(ちょうとうこう)」は、てんかん発作を抑制し、中枢の鎮静、血圧降下作用があり、柴胡(さいこ)・甘草(かんぞう)は、鎮静、鎮痙、鎮痛、自律神経調整作用が知られています。「抑肝散」の症状が長年に及ぶとお腹の症状が変わって特に、動悸が目立ってきます。その場合は、「抑肝散」に陳皮と半夏を加えた「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」にかわります。さて、薩摩に日本酒はありますかと聞いたらありました。酒の始まりに因んでか「薩州正宗」(薩摩金山蔵)とか。販売店は少ないそうですが、そこは蛇の道、何とか手に入れ、試飲中です。タクシーの蝿を払いながら、運転手さんの話。「鹿児島には三つのへがあるんです。この蝿そして、桜島の灰のこと、それと、へ」聞いたからには定番で「へー」。