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糖尿病について

  江戸川橋診療所所長
  柴原昭典

 これまでの糖尿病治療薬の中心はSU剤(スルフォニルウレア)で、膵臓を刺激してインスリンを分泌する作用を持つ薬でした。

 とても強力でガンガン膵臓を刺激して血糖を下げてくれます。しかしおなかがすいているときにも効いているため、必要以上に血糖が下がりすぎておなかが空き過ぎて低血糖(70mg/dl以下:脳と体のエネルギーが欠乏して動けなくなる)や低血糖気味になることもあるので、血糖を上げようと食べ過ぎて太ってきて、太ったために薬が効かなくなって血糖が下がらなくなったりと、加減の難しい薬でした。

 さらに、ガンガン膵臓を刺激するためにそのうち膵臓が疲れ果てて、インスリンを分泌できなくなって、インスリン注射に頼るしかない状態になることもありました。

 インクレチンというホルモンは、みなさんの体の中で毎日働いているホルモンです。(腸の細胞から分泌されます)みなさんがご飯を食べて胃でこなれて、腸で吸収されて、「血糖が上がってくるぞー」という信号係がインクレチンです。インクレチン信号は膵臓に″インスリンを出せー≠ニ働きます。
働くのは飲食して血糖が上がってくる時だけです。インスリンは栄養分を肝臓や筋肉や脂肪細胞に取り込んで血糖を正常に維持します。

 このように、インクレチンがうまく働いている限りは高血糖になって糖尿病になることはないし、SU剤のように低血糖になる心配もありません。ちょうど良い血糖(80〜140くらい)を維持できます。

 ところが、糖尿病の方は、インクレチンの働きがおかしくなっています。このインクレチンの働きを正常に近く修正しようという目的で出来たのがインクレチン関連薬です。(最近ではインクレチン関連薬のひとつGLP・1受容体作動薬が夢のやせ薬としてTVなどで取り上げられたりしていますが、詳しいことはまた、次回にお話しします。)