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漢方の話… 正月は餅を食ふので御目出度しー田中正造

  鉄砲洲診療所所長
  沖山 明彦
 

 「年忘れ」は鎌倉時代に和歌などの交換で始まったのが、お酒を酌み交わすようになったのは江戸時代からのようです。「酒読み」という本には茶事における酒の飲み方は古風であるが、食事をしながらその間に飲酒するという、上手な飲み方と記されています。ともあれ、新年会へと続き胃腸は疲れています。胃の不調に使われる漢方を木下先生の漢方の本から紹介してみます。

 「六君子湯(りっくんしとう)」は胃腸虚弱、みぞおちの痞え感があり、食欲がなく、食べるとお腹が張り、眠くなる。体がだるく、疲れやすい。手足が冷えやすい。「胃部振水音(胃のちゃぷちゃぷ音)」が聞かれます。体力の低下がさらに激しいときには「四君子湯(しくんしとう)」です。「人参湯(にんじんとう)」は漢方の基本処方で「六君子湯」「四君子湯」はこの処方の発展したものです。「人参湯」は体力低下し、疲れやすく冷え性でみぞおちの痞え、食欲不振があり、下痢、嘔吐、胃痛などがあり、特に、口中に薄い唾液がたまるなどがみられます。「人参湯」は人参(にんじん)・朮(じゅつ)・甘草(かんぞう)・乾姜(かんきょう)からなりたっています。「人参」は高麗人参、朝鮮人参などの別名があり、野生の人参は貴重で、日本では徳川幕府が日光の御薬園で栽培に成功し、その種子が各藩に与えられたので、「御種人参(おたねにんじん)」と呼ばれるようになりました。疲労や衰弱、体力の低下に用いる「補気作用」。胃腸虚弱や消化不良に用いる「健脾(脾は胃のこと)作用」。神経衰弱、抑うつ、疲労による動悸、不眠などに用いる「安神作用」。口渇や熱病での脱水症状に用いる「止渇作用」などがあり、他の生薬との組み合わせでの処方があります。ただし、名医は、「人参は万能の神薬に非ず」で体力のある実証で熱症のときには用いてはいけないと注意しています。

 ところで、先ほどの「酒読み」に「ドラえもんと酒」の一文がありました。のびた君がドラえもんに願い事を聞いたら、ふだんお酒を好きなときに飲めないお父さんを何とか喜ばしてしてあげたいといいます。そしたらあのポケットから「ようろうつまみ」が登場します。このおつまみをたべて、水を飲むとお酒にかわるというのです。水の飲みすぎはもちろんいけませんが、できればその酒が新年にふさわしく「開運」だといいですね。この酒が好きな人は養老渓谷のある千葉の方だと聞いたことがあります。