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身近な法律相談…特定秘密保護法は私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 東京保健生協顧問団=城北法律事務所/弁護士・田見高秀 弁護士・大川原栄  弁護士・加藤幸(執筆担当)

 特定秘密保護法が成立しましたが、この法律は私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

 [回答] 昨年、わずか40日あまりの国会審議で特定秘密保護法が成立しました。この法律の成立に対しては、多くの国民が反対の声を上げましたが、与党は国民の声に耳を貸さず、数の力で強引に国会審議を進め、強行採決で押し切りました。

 特定秘密保護法は、(1)防衛(2)外交(3)スパイ活動の防止(4)テロの防止に関する情報のうち、国の安全保障に著しい支障を与える恐れのある情報を、特定秘密に指定し、国民から完全に隠してしまおうという法律です。(1)から(4)の項目の定義は曖昧で、特定秘密に指定できる情報の範囲を拡大解釈することが可能になっています。また、特定秘密にあたるかの判断は、行政機関の長(実質的には官僚)が行い、第三者によるチェック制度がないため、政府が都合の悪い情報を隠してしまえる制度になっています。このため、原発の情報や自衛隊の活動に関する情報、TPPや日米の軍事協定などの外交に関する情報を私たちが知り得なくなる危険性があります。

 また、特定秘密を漏洩したり、漏洩をそそのかしたり、煽ったりした場合には刑罰による制裁があります。この刑罰の対象となる行為も拡大解釈の余地があり、特定秘密に指定されている情報を明らかにしようと話し合ったり、「情報を明らかにしましょう」と呼びかけたりするだけで、処罰の対象となる可能性があります。

 さらに特定秘密を取り扱う公務員に対しては、スパイ活動やテロ、懲戒歴、飲酒歴等の調査が行われます。公務員の家族や友人の氏名・住所や行動も調査対象とされる可能性もあります。

 憲法が「知る権利」を保障しているのは、私たちが政府や国会議員の行動の是非を判断するためには、様々な情報が提供されていることが必要だからです。しかし今後は、私たちがこうした判断をするために必要な情報が、官僚の都合で隠されてしまう危険性があります。また、デモなどの抗議行動が制限されたり、デモ参加者の個人情報が調査されるなど私たちのプライバシーが侵害される危険性があります。

 特定秘密保護法は成立してしまいましたが、これからも廃止に向けた運動を展開することが可能です。法律を廃止に追い込むまで粘り強く反対の声を上げていきましょう。

 ※東京健生病院・大泉生協病院では月1回、城北法律事務所の弁護士さんによる法律相談を無料で実施しております。希望される方は病院職員にお尋ね下さい。