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歯の話…人は食べもので できている

  歯科部長・鬼子母神歯科所長
  神田 剛

 「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録された。このきっかけは、京都の料理人たちが日本の伝統的料理を知らない子どもたちが多く、このままでは「和食」が滅んでしまうとの危機感からこの運動が始まった。アメリカでも「和食」が見直されている。医療費の増大に困っていたフォード大統領は1977年4月に調査を依頼した。その結果は、食生活に大きな原因があり、理想的な食事は日本の元禄時代以前の庶民のものであることが判明した。それは、雑穀、味噌汁と海藻、野菜、魚の食品であった。その後、アメリカのみならず世界中に日本料理店が増え、2010年には5万3千店になる一方、日本国内では4万3千店と減少している。

 日本の食事は1960年と比べて2005年では米の消費が半分になり、魚・野菜は少し減り、油脂が3倍、肉が6倍、乳製品が6倍に増えている。「欧米化」が進み、ファーストフード、ジャンクフード、冷凍食品、外食、宅配などますます多様化している。高カロリーで栄養の偏りのある食品も少なくないし、概して柔らかく噛む回数も少ない。

 かつて、長寿日本一であった沖縄が急転落したのはアメリカのハンバーガー、フライドポテト、フライドチキンなどが原因とされている。沖縄の男女のBMIは全国一位で糖尿病も急増している。日本全国でも糖尿病は増えており、2012年で950万人、その予備軍は1100万人と推測されている。

 「和食」のユネスコの無形文化遺産を機に、私たちの食生活を見直したいものだ。ちまたには、遺伝子組み換え食品、さまざまな添加物・着色剤、抗生物質で育てられた肉や魚、原産地不明食品、中には発がん物質とされるものがある。食べ物を噛むことも大事だが、その前に何を口に入れるのか考えたい。「かーさんやすめ」?「ひみこのはがいーぜ」?なんでしょうか。

噛む効用