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病気の話…認知症について(12)
認知症とせん妄のケースカンファレンス

  東京保健生協精神科部長・大泉生協病院精神科 
  中島 昭  

このケースの検討点 
(2)地域の救急医療資源の状況 
 一人暮らしで身内のいないAさん(80代前半、女性)は心身が衰弱していたが、「1週間、探したが入院先が見つからない」と、保健師が受け入れ先を探しても見つからない事態となりました。
 今、練馬区の医療資源、特に救急医療資源の状況はどうなっているのでしょうか。

練馬区の認知症の方、高齢者の状況
 練馬区は、平成26年度、71万人と世田谷区と並び23区でも最も人口の多い地域となっています。練馬区高齢者基礎調査によると(表1)、平成21年度と比べ、約20%の増加です。また、一人暮らし世帯が約16%、夫婦二人暮らし世帯が約40%です。

救急医療資源の状況
 他方、人口に比べ、練馬区の救急医療資源は全く足りていない状況が長く続いています。東京都指定の二次救急医療機関(一般身体二次救急)は、表2の通りです。

介護認定

 1236はベッド数の合計ですから、二次救急医療のために、救急搬送で受け入れられるベッド数は限られています。
練馬区は東京都の規定する二次医療圏という枠組みでは、区西北部医療圏(北区,板橋区,豊島区,練馬区 合計185万人)に属しています。

 三次救急医療機関は練馬区内にはありません。そのため、二次医療圏内の日本大学付属板橋病院、帝京大学医学部付属病院、或いは隣接地域の武蔵野赤十字病院、杏林大学付属病院などに私達練馬区民は、いざ(3次救急相当の身体疾患発症)という時はお世話になっています。

 練馬区の7つの二次救急病院の内科、外科、小児科、産婦人科を初めとする一般身体科の医師、看護師、各職種のスタッフ、すなわち現場の医療従事者は、懸命に練馬区の救急医療を支えようとしています。また、一次医療機関である診療所、病院の医師、看護師、スタッフもその救急医療、地域医療を支えようと協力しています。

 しかし、最後に特別区となった練馬区は、住みよい地域として人口は年々増加しているのですが、救急医療資源が、圧倒的に不足しているという状況に昔から置かれています。