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漢方の話… 冷え症  クーラー病にもご用心

  鉄砲洲診療所所長
  沖山 明彦
 

 パソコン環境維持のため、冷房が季節より早めに入るようです。そのためか、冷え症の人が増えています。冷え症に使われる漢方にはいろいろあります。下肢・腰や下腹部の冷え、便秘、尿がちかい、のぼせ、頭痛、肩こりなどがあり、月経不順や月経痛(月経前からで月経量も多い)がある。シミや皮下出血などがあり、舌や歯茎が暗赤色、舌の裏の静脈が太く、手掌が赤い。この状態を?血(おけつ:ふる血)といい、体格が比較的にがっちりした人には、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」が選ばれます。この漢方は、夏の花である、牡丹(ぼたん)や肉桂(にっけい)、芍薬(しゃくやく)などの根皮が薬用として使われます。牡丹は「花王」とか「富貴花」ともよばれるほど華やかな花です。漢方では秋にその根皮の「牡丹皮(ぼたんぴ)」を用います。肉桂は幼い頃(誰の?)駄菓子屋でのニッキを思い出しますが、京の八つ橋や郡上八幡の肉桂玉など和菓子でも知られています。漢方では「桂皮(けいひ)」といいます。芍薬は、中国からやってきた花で「夷草(えびすぐさ)」とも言われ、牡丹に対して「花の宰相」の異名があるそうです。漢方ではその根皮を使い「芍薬」といいます。「桂枝茯苓丸」は「体格はしっかりしていて、赤ら顔が多く、便秘、下腹部痛があり、冷えのぼせ肩こり頭痛などがあるひと」に使います。シミ、そばかすなどに用いる「美肌剤」としても知られています。妊婦さんには使用禁止。

 足腰の冷えがあるが、体力が低下していて、たちくらみ、貧血気味、やせがたで便は軟便か下痢傾向、月経は遅れがちで量も少ない、だるい、顔や手足がむくみがち。このようなひとには「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」です。「当帰(とうき)」は秋の花ですが、中国の昔話に名前の由来があります。婦人病を患った妻に夫が寄り付かなくなり、妻は知人から教えられた薬草を、夫が帰るのを祈りながら、飲んだところ、病もなおり、美しくなり、夫が家に戻ったというのです。「恋しい夫よ、当(まさ)に我が家に帰るべし」祈りの言葉です。3〜4年目の「当帰」の根の陰干しを使います。「当帰芍薬散」は妊娠を保持する漢方です。冷え症で体力のあるひと(実証)と体力低下(虚証)の漢方のおさらいをしました。二つの漢方に共通した生薬の「茯苓(ぶくりょう)」は省略しました。生薬については「薬草歳時記」(鈴木昶著)から引用しています。

 4月に入りあっという間の満開、そして早くも散り始め、桜川公園に「花のじゅうたん(Y看護師)」出現。それっと敷物を敷こうとしたら、雨と突風そして、花冷え。桜もちを食べるも、桜湯はなく、結局、花見は「出羽桜」。おや既に、初鰹の季節を迎え、目指すは東か西かいやいや四国の「南」に行こう。