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歯の話…神経を抜いた歯はもう感じない、痛くならないの?

  江戸川橋診療所 歯科医師
  吉野 英之


Y・H様からの質問
 このたび治療して頂いた箇所につきまして、デコピンの要領で爪で弾いた時や、先週先生に金属の棒?(鏡?)でカンカンされた時は気にならないのですが、軽く指でトントンとすると、他の歯と比べて若干違和感がございます。(痛むというわけではないですが、うまく表現できません。)元々傷んでいた歯ですし、神経も抜いた治療しているので、こういうものなのでしょうか。食事をしても痛みはないですし、しみる等もございません。ご回答の程、よろしくお願い致します。

Dr・Yからの回答
 問い合わせの件ですが、神経・血管を抜いた歯は、半分死んだ歯になります。歯の中には神経・血管はありませんが、歯の周り(歯根膜)には神経・血管はあります。(冷たい熱いの感じはなくなりますが、触った・咬んだ・痛いの感じはあります。)他の生きている歯と比べ、違和感は若干あると思いますし、今後体調を崩したりすると違和感が強くなり、浮いた感じとか痛み、腫れとかを起こすこともあります。あくまでも治す治療ではなく、保存する処置を行ったものです。歯は食事をして咬めるかどうか、だめになっていく、自分の機能とうまく付き合っていけるかどうかです。

 申し訳ありませんが、歯は治すというのはおこがましく、未然に防ぐというのも難しい場合が多いのです。

 小さなトラブルのうちに見つけるためにも、クリーニング&チェックに定期的に来てください。また、ご自分の三食後の歯磨きですが、疲れたり体調が悪いとき(免疫力が下がったとき)ほど丁寧にお願いします。何か症状がでるようなら、早めに来てください。

 歯の神経を抜けば、もう痛みはなくなると思っている人がほとんどです。実際はできる限り、神経は抜かない方がいいと思います。(激痛がある場合、そうなりそうなとき神経を抜くことでのメリットがある場合はやりますが…)歯の神経を抜くというと神経とともに血管もとるからです。血管を取れば、歯の中の新陳代謝もなくなり、歯はもろくなります。破折(歯が折れたり割れたりすること)につながりやすくなります。神経を抜いたら、デメリットも多くあるのです。抜いた後、神経血管のあった部分を人工の材料で詰めることを根管治療と言うのですが、人によってまた歯によって解剖学形態が違い、神経血管の数も形も違います。細いところ、曲がったところ、枝分かれしたところなど、きちんと詰めるには難しい場合も多いのです。きちんと詰めたつもりでもミクロの話はわかりません。(8割方は大丈夫と言われています。)うまく詰まらないところは細菌たちの格好の棲家になりやすく、免疫力が落ちたとき、違和感、痛み、腫れなどの症状が出てきます。神経を抜く治療にならないために、小さなうちに対処しましょう。日頃の歯磨き以外に、歯科衛生士によるクリーニング&チェックが大切です。


根幹治療
歯の根図