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病気の話…胃食道逆流症 Gastro-Esophageal Reflux Disease

  東京健生病院 内科 
  木村 佳苗  


  胃食道逆流症(GERD)では、胸焼け、口の中まで酸っぱい水が上がる感じがするといった症状が出ます。なかには狭心症と紛らわしい胸の痛みといった症状が起こることもあります。これは胃の内容物が食道へ逆流した為に胃液中の酸が原因で食道粘膜がただれ、食道炎が起きているのです。ただ、症状があっても食道炎がないことや、食道炎があっても症状が軽いこともあります。症状がある場合や、内視鏡検査で逆流性食道炎が認められた場合にGERDと診断されます。

 逆流性食道炎は1990年頃から増加が見られます。主な原因は、食生活を始めとする生活習慣の欧米化とピロリ菌感染者の減少があげられます。欧米的な食生活をしていると胃散分泌が増加します。またピロリ菌に感染していない胃では胃酸の分泌が増加します。胃酸の分泌が増加すると、食道へ胃酸が逆流し、食道炎になりやすくなります。日本では逆流性食道炎は高齢者、特に女性に多い疾患ですが、最近では若年層でも増加しており、今後ますます増加していくと思われる疾患です。

 GERDでは胸焼けの他につかえ感、胸痛など、また食道炎が原因とは気付きにくいような喉の違和感、しわがれ声、咳、喘息のような症状がでることもあります。その他、逆流の為に夜中に目が覚めることもあります。
診断の為には食道内視鏡検査が必須です。食道炎の重症度を確認し、また癌などがないかを確認する為にも内視鏡検査を受けることをお勧めします。

 過度の飲酒と喫煙を減らし、高脂肪食や刺激物、大食い早食いを控えることで症状の改善が期待できます。また、内服薬で効果的なものは胃酸の分泌を押さえる方法です。なかでも、プロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬が最も効果的です。この他に、酸を中和したり、逆流を起こりにくくしたりする薬を併用することもあります。

 健康的な食事、肥満の解消、生活習慣の改善、それらのことは一般的な生活習慣病にも共通する事柄です。