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介護の現場から…ご近所付き合い

    ひかわした訪問看護ステーション所長
     鈴木 美香 


 一人暮らしの高齢者が増えています。特に認知症の方では、様々なトラブルが発生することがあります。特にご近所付き合いの中で、被害者や時には思いもよらない形で加害者になりかねない出来事が起きています。訪問看護師が訪問している利用者さん宅で起きた2例を紹介します。

 訪問看護を利用しているAさんの家族から、「昔から顔なじみのBさんが遊びに来るたびに、お金を持って来て仏壇などに置いていく」との相談がありました。  

 Bさんは、80歳代で一人暮らし、昔からおかずのお裾分けをし合っていたので親しく、今もよく遊びに来るようです。度々、多額のお金を置いていかれるので、その都度返しに行くことになり困っているようです。

 80歳代のCさんも一人暮らしです。優しく気前もいいので、近所付き合いも多く、認知症で日々の出来事は憶えていませんが長年住みなれた家で生活ができています。

 サービス担当者会議で、近所に住むDさんが毎日Cさんの家に来ては食糧や、お金ももらっているようだと報告がありました。本人に事情を聞いても覚えておらず、離れて暮らす家族に尋ねると買って行った物やお金がすぐに無くなるので不思議に思っていたそうです。ご家族と対応策を話し合いましたが、長年の友達づきあいでもあり、どう対応したら良いか困ってしまいました。

 後日Dさんも独居で認知症であることが判りました。本人同士は悪意もなく、気前よくCさんがお金や物をあげるという関係になっていたようです。

 Aさんはご家族が気づきお金を返していますが、気づかず受け取り「取った」「取られた」というトラブルにもなりかねません。

 認知症でも安心して暮らせるまちづくりには、いろいろな人の見守りや「ちょっとおせっかい」をできる関係が今求められているように思います。