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頭の老化

  鬼子母神診療所 所長
  高岡和彦


 昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように春の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが、生協組合員の皆様は如何お過ごしでしょうか?

 組合員さんの中には、お花見の準備が忙しい方もいらっしゃるのではないでしょうか?くれぐれも無理をなさらないようにお願い申し上げます。

 さて、今回のテーマは「頭の老化」についてです。頭と言っても頭髪の事ではありませんので悪しからず。「昔の事はよく覚えているのに、最近の事はすぐに忘れてしまう」「人の名前が思い出せない」「メガネが行方不明になる」等、心当たりのある方も多いのではないでしょうか?「私の家系は認知症の人がいないからキット歳のせいよ」とよく耳にします。

 人は成長しますが、ある時を境に老化が始まります。脳細胞も同じです。年齢とともに脳細胞の中に「βアミロイド」というゴミが溜まってきます。このゴミが脳細胞を壊して脳を委縮させます。脳を家庭に置き換えると、ゴミを捨てないのでゴミ屋敷となり悪臭を放つ状態です。これでは人は住めません。また、使えないものを買い集めて宝物として収集すれば足の踏み場もなくなり身動きが取れなくなります。では、どうすれば快適に暮らせるのでしょうか?簡単です。不要なゴミを捨てて大切な物は綺麗に磨けば良いのです。

 では、人間に置き換えるとどうなるでしょうか。不要なゴミを捨てる研究が行われています。ワクチンのように「βアミロイドに対する抗体を注射する」方法です。残念ながら実験では成功には至っていません。(今は無理でもいずれ成功するかもしれませんので出来る限り長生きしましょう) 溜まったゴミで使えなくなった細胞は置いておき、まだ元気な脳細胞をフル活用して脳全体の機能を維持・向上する方法です。認知症の薬などは脳に刺激を与える作用があります。決して認知症を治す薬ではありません。適度な刺激は良い作用となりますが、刺激が強すぎると暴れて手が付けられなくなることがありますので要注意です。本を読んだり、歌を歌ったり、体操をしたり、笑ったり、遊んだりして脳に刺激を与えるのは良い方法です。デイケアを活用するのは大変良い方法です。特に、嬉しかった、楽しかった出来事は脳に対して著効します。一つでも多くの快感を実感することが脳を刺激する特効薬となりますので、家に閉じ籠っていないで積極的に参加して楽しい人生を送りましょう。心と体の若さを保つ秘訣かもしれません。

  認知症は脳の老化です。老化と上手く付き合って楽しい人 生を送りましょう。