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目の老化

  鬼子母神診療所 所長
  高岡和彦


 桜のお花見が終わり、ゴールデンウイークが目の前に迫っています。お休みの予定は決まりましたか?仕事・仕事で目が回る方や、お祝いなど何かと物入りで懐が寂しくお先真っ暗という方もいらっしゃるのではないでしょうか?いずれにしても、ジメジメとした梅雨の前に目いっぱい楽しくお過ごしください。

 さて今回のお話は、「目の老化」についてのお話です。目をカメラに例えると、レンズが水晶体でフィルム(センサー)が網膜になります。電線が視神経で、モニター画面が脳に当たります。レンズ(水晶体)の老化が白内障や老眼に当たります。白内障でレンズを入れる手術は有名ですよね。フィルム(センサー)が老化し老廃物が蓄積し、網膜の中でも物を見る上で一番大切な黄斑部にゆがみが発生し失明の原因となります。これが、加齢黄斑変性です。欧米では失明の原因第1位です。日本でも50歳以上の約1%に見られ失明の第4位です。加齢黄斑変性の症状は、変視症と言って中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えます(図1)。さらに黄斑部の網膜が障害されると、真ん中が見えなくなり(中心暗点)、視力が低下します(図2)。また症状が進んでくると色が分からなくなってきます。

 早期発見には、視力検査とアムスラー検査があります。碁盤の目のような(方眼紙のような)図を見てもらい、格子のゆがみを調べる検査です。自宅でも出来る簡単な検査です(片眼ずつ検査する必要があります)(図3)。(図は公益財団法人日本眼科学会のホームページより引用)

 治療方法は、薬物治療・光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)・レーザー凝固・手術などがありますが、高橋政代(神戸理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクト代表)は、2014年9月12日に自己由来のiPS細胞から作成した網膜を患者へ移植する臨床研究を世界で初めて実施しました。研究が成功すれば有効な治療方法として期待されると思います。

 加齢黄斑変性の予防は、禁煙・サプリメント(ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛など)・食事(緑黄色野菜はサプリメントと同様に加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられています)などがありますが完全に予防することは出来ません。「何か変だぞ」と思ったら早めに眼科を受診して適切な検査を受ける必要があると思います。

  異常を放置したら駄目ですヨ。

図1
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図2
図2
図3
図3