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介護の現場から…ひまわり

  大泉訪問看護ステーション所長 鈴木ちひろ  


 真夏の太陽に向かって咲き誇る向日葵。去年の夏、向日葵のような彼女に出会いました。

 末期癌で余命1ヶ月。まだ40歳代の彼女には幼い子供たちがいました。私は彼女と同年代で子供たちもほぼ同じ。大切な子供たちを遺して逝く彼女を思うと胸が張り裂けそうでした。体は癌に侵されても、彼女はいつも明るく笑っていました。子供たちと過ごす最後の夏休み、彼女は母として懸命に生きました。私にできたことは彼女が望む、彼女らしい生き方と逝き方を尊重すること。当たり前の日常を、最後の夏休みを幸せな時間に、と。そして遺される家族への生前からのグリーフケア。近い将来確実に訪れるママとのお別れと、その後の子供たちへのケアを一番に考えました。それが彼女にとって最も大切な支援だと思ったからです。病状の変化には、時間を問わず駆けつけ、夜の緊急訪問時にシャワー介助をしたこともあります。夜中に彼女の姉夫婦(夫はケアマネさん)と話し込むことも。他の看護師も昼夜問わず、緊急対応をしてくれました。私を励まし、彼女を思い泣いてくれました。心身ともに支てくれる仲間がいる、本当に心強いことです。

 自分の最期は、子供たちを動揺させないように、いつもどおり「おやすみ」をして別れたいと望んだ彼女。8月の暑い日、子供たちに見守られ天に召されました。

 咲き誇った向日葵がたくさんの種を残すように、彼女も子供たちにたくさんの愛情と優しさと誇りを残しました。