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病気の話…手足口病

  大泉生協病院 院長 
 齋藤 文洋  


 今、東京で大流行の手足口病(Hand・ Foot and Mouth Disease:HEMD)は、その名のとおり、口の中・手・足を中心に出る水疱性の発疹を主症状とする感染症です。コクサッキーA群ウイルスとエンテロウイルス71型が主な原因です。

 咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによって感染(飛まつ感染)したり、水疱の内容物や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入って感染します(経口・接触感染)。3〜5日の潜伏期間の後、口の粘膜・手のひら・足の甲または裏などに2〜3mmの水疱性の発疹が現れます。発熱は約3分の1にみられますが、38度以下の事がほとんど。普通は軽症で、発疹は3〜7日でかさぶたを残さずに消えます。重症化はまれですが、急性脳炎や心筋炎を起こす事も。これが、教科書に載っているHFMD。

 ところが最近は様子が変わってきました。まず、高熱が出る事が多い様です。39〜40度の熱が数日。その後1〜2日して発疹が出る事も。発疹も手足口より、肘、膝、お尻、顔、時にはお腹に出て、舌に少しできるとこれが痛い。数ミリ程度の大き目な水泡状発疹がびっしりできます。しばしば、初診の時はヘルパンギーナと診断される事もあります。ヘルパンギーナとHFMDの原因ウイルスはほぼ同じ。ヘルパンギーナとHFMDの相乗り型の様です。最近のHFMDは熱が出るので両者の区別は診察した時の発疹の場所のみ。口の中だけに発疹が有ればヘルパンギーナ、手足にも有ればHFMD。昨日はヘルパンギーナで今日はHFMDなんて事もあります。

 因みに、ウイルスは便の中に1ヶ月近く出るので、集団保育の現場で感染予防は至難の技。そんな事もあり、H25年の文部科学省発行の「学校において予防すべき感染症の解説」には、「本人の全身状態が安定している場合は登校(園)可能。流行の阻止を狙っての登校(園)停止は有効性が低く、またウイルス排出期間が長いことからも現実的ではない。手洗い(特に排便後、排泄物の 後始末後)の励行が重要」と書かれています。

 最後に、お母さん、お父さん!みなさんにも移ります!お気を付けて。