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食…歳をとったらおかずが大切

  大泉生協病院 管理栄養士
  垣内 早苗


 メタボリックシンドロームが注目される中で、「生活習慣病改善には粗食が大切」などの健康療法が紹介されています。しかし、高齢者はそれが当てはまらないことが様々な研究でわかっています。むしろ高齢者では、粗食による「低栄養」が大敵です。

 昨年、厚生労働省が発表した「食事摂取基準2015年度版」(健康を維持するために、何をどれだけ食べればよいかの基準)では、「高齢者の虚弱(フレイル)は低栄養と極めて関連が強いと報告。70歳以上が目標とする体格(BMI)は、若いころよりも太めを推奨し、痩せすぎを警告しています。また、加齢に伴う筋力や筋量の減少(サルコペニア)を予防するには、成人と同じ量の十分な蛋白質(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品)が必要と指摘しています。

 一方、加齢の進行は、以下のような身体的機能の変化をきたします

1、噛む力・飲み込む力が低下する
→硬いもの・繊維質の食物を避けるようになり、肉・野菜が不足しやすくなる
2、味の感覚が鈍くなる
→塩気と甘味を感じにくくなり、濃い味付けを好むようになる
3、喉の渇きの感覚が鈍くなる
→水分摂取量が減り、脱水症状を起こしやすくなる
4、腸の運動能力が低下する
→便秘になりやすくなる

 

高齢者の老化予防をめざした食事のポイント
1、食事は1日3回バランスよくとり、抜かない
2、魚と肉は1対1、魚だけに偏らない
3、油脂類が不足しないよう注意する
4、野菜は葉物や根菜類などいろんな種類を、火を通して量を増やす
5、漬物・塩蔵品を控え、おかずを優先する
6、こまめに水分補給をする
7、かむ力を維持するために、歯科検診・義歯の点検を定期的に受ける
8、家族や友人、医療生協の仲間などと会食する機会を増やす
 飲み込みが困難な方は、医師・歯科医師・言語聴覚士・管理栄養士に相談してください。