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鬼子母神診療所から…「在宅診療と在宅看取り」について

  鬼子母神診療所 所長
  高岡和彦


  〜最後まで末永いお付き合い〜


 生協組合員の皆様、お元気ですか?お花見のシーズンも終わり、軒先には鯉のぼりが泳ぐ季節となりました。初夏を思わせる気候が肌で感じられ、気分もウキウキされていると思いますが、くれぐれも無理をしないようにお過しください。

 さて今回は「お別れのお話」です。生きている動物は、一生に一度、誰でも経験しなければいけない事があります。その「お別れ」は、人それぞれ異なります。早くに訪れる人、晩くに訪れる人、突然訪れる人、ゆっくり訪れる人、多くの人と一緒に迎える人、一人で迎えなければいけない人など様々です。人は老いると病気を起こしやすくなります。病気になると病院や診療所を受診しますが、老いると受診できなくなる患者様もおられます。通院困難な患者様は「往診(在宅診療)」を受けて頂き「お別れ」の時を迎えます。50年前は多くの患者様が自宅で「お別れ」を迎えましたが、最近では80%近くの患者様が病院で「お別れ」を迎えます。しかしながら、高齢者の約半数の方は自宅での「お別れ」を望んでおられるそうです。  

 そこで、鬼子母神診療所における在宅診療と在宅看取りをご紹介し安心して「お別れ」を迎える準備の手助けが出来ればと思いました。(「わしにはまだ先の話で関係が無い」「縁起でも無いことを言うな」とお叱りの言葉が聞こえてきそうで戦々恐々ですが…)
 鬼子母神診療所では、2年半程の間に在宅診療を受けて頂いた約150名の内、16名の方が在宅で逝去されました。5名が老衰、5名が癌、6名が肺炎・肺気腫・突然死などです。苦しんで最後を迎えた方は一人もおられません。皆様、安らかに最後を迎える事が出来ました。12名の方は、医師がご自宅に伺い最後を見届け死亡診断書を作成致しました。ご家族や訪問看護師・ヘルパーさん・ケアマネジャーなどに囲まれて安らかに旅立たれました(独居の方も含めてです)。4名の方は「慌てて救急要請を行い、警察署で検視を受けました」。しかし、すぐに主治医が警察と連絡をとり「異状死」では無く「病死」と判断できましたので「解剖」せず(ご遺体にメスを入れずの綺麗なお身体の状態)に。主治医が警察署に赴き、ご遺体を診察後に「死亡診断書」を作成する事が出来ました。警察署のお話だと近年、自宅における「孤独死」が増え「死体検案・検視」事例が増えているそうです。  

 「お別れ」は人生における一大イベントです。老いる事は避けて通れない体調の変化であります。日頃から「かかりつけ医」と相談して色々相談する事が大切だと思います。そこのあなた、安心して下さい。生協の診療所や病院には、何でも相談できる頼もしい「かかりつけ医」や「かかりつけ看護師」「かかりつけ事務」「かかりつけ薬剤師」が多く在籍しています。一人で考えないで、困る前から気軽に相談してみてください。きっと「良い解決策が見つかる」と思いますよ。今後とも「最後までのお付き合い」を宜しくお願い申し上げます。