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漢方の話…どくだみや 真昼の闇に 白十字(茅舎)

  鉄砲洲診療所 医師
  沖山 明彦


 八丁堀駅A2の出口を出て、桜川公園の隅に、どくだみの群生がある。白い十字は花びらではなく、「総苞(そうほう)」と呼ばれる変形した葉である。中央に黄色い花蕾。生のどくだみに異臭があるのはご存じのとおりで、生薬名は「十薬(じゅうやく)」だが、中国では「魚腥草(ぎょせいそう)」という。どくだみの異臭の成分に抗菌、抗黴(かび)作用その他の薬効がある。しかし、乾燥するとその効き目がうすれてしまう。生のものを用いた民間療法が伝えられている。新鮮な生の葉を火にあぶり、柔らかくして腫れ物に当て、膿を吸い出す。蓄膿症には葉を揉んで汁を出したものを鼻に挿入する。また、痔や脱肛には坐浴用として用いる。そして、葉の汁は、湿疹、水虫、そして、ざ瘡(にきび)に外用される。

 「にきび」の漢方の第一選択は「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」。比較的体力があり、頭部、顔面の発赤、熱感、痒み、痛み、化膿傾向の皮膚発疹で、赤ら顔、赤鼻(酒さ)、のぼせ、口渇などを伴う人に用いる。「にきび」の漢方では「桂枝茯苓丸加?苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」も選ばれる。お馴染み桂枝茯苓丸に「ヨクイニン(はとむぎ)」を加えた漢方。「ヨクイニン」は、消炎、利尿、鎮痛、排膿などの効果や、「イボとり」でも有名だ。「桂枝茯苓丸」は、体力中程度で冷えのぼせ、赤ら顔、頭痛、肩こり、便秘、月経不順、しみ、そばかすなどの「?血(おけつ)」をとる美肌剤ともいわれる。「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」も「にきび」の漢方のひとつ。体力中等度、皮膚が浅黒く、手足の裏に油汗をかきやすい、神経質、筋肉質でやせ型、アレルギー性鼻炎や蓄膿症などを患ったことがある人に有効といわれる。

 時々、お邪魔する居酒屋には、白色ポメラニアン3匹の写真が入口に飾ってある。隅の席に座って脇をみたら、今、ブームの「伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)」の絵がさりげなくかけてある。「日本画が好きなもので」と女将さんの話。いつも通り、酒を選んでもらう。すっきりした、豪快に飲めそうな酒が登場。わんこの名前は下の子がうわさの「若冲」で家にいる。中の子が「古径(こけい)」で沖縄に貰われていった。さて、敗戦後、茨城の森島酒造と交友があった、水戸出身の大酒豪画家が命名した酒があった。さらに、3・11後、蔵を復興しその銘酒を再度、世に送りだした。その名は「大観」。そして、こちらの長男「大観」の貰われ先が酒屋だそうな。おそれ入谷の「き子母神」、情け有馬の「水天宮」。パソコンでは「鬼」になってしまうので仮名表記をお許し下さい。