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鬼子母神診療所から…在宅看取り

  鬼子母神診療所 所長
  高岡和彦


  〜最後まで末永いお付き合い(1)老衰編〜


 生協組合員の皆さまお元気ですか?鬱陶しい梅雨が明けたかと思うと真夏のような太陽が燦々と降り注ぐ季節に突入してしまいました。熱中症対策は万全でしょうか?熱中症対策の基本は「こまめな水分補給」と「風通しのよい涼しい環境」です。「クーラーをガンガン唸らせるだけでは電気代の無駄なのでご注意下さい」ね。

 さて、今回のお話は前回の「在宅看取り」の第2弾です。お蔭様で「在宅でのお迎え」に関して何となく理解できたというお声を頂きました。そこで今回は「老衰」をテーマに「在宅看取り」の1例をご紹介いたします(実例を参考に架空の設定を行いました)。  

 患者さまは98歳の女性です。10年前から認知症を発症しましたが「非常に温厚な性格」で「いつもニコニコ」娘夫婦と楽しく同居されていました。ここ数年は誤嚥性肺炎や尿路感染を繰り返し2年前から往診・訪問看護が開始されました。また、要介護2で週2回入浴サービスとデイサービスにも意欲的に参加していました。昨年夏に熱中症から脱水を合併し3か月間、入院され以後寝たきりとなりました。要介護5となり介護サービスもフルに利用しながら在宅で過ごす選択をされました。「最後は、大好きなお家の畳の上で迎えたい」がご希望でした。また、 「点滴などの医療処置や延命処置」は望まれませんでした。経口摂取も出来なくなり日に日に全身衰弱となりましたが苦痛を訴える事もなく穏やかに終末期を過ごされました。昼間は「ヘルパーさん」が家族に代わってお世話を行い、ご家族の負担軽減に努めました(夜間も巡回型のヘルパーなどもあります)。


 「むせ込みが強くなり食事量が減ってきた」など体調の変化に対して診療所に連絡すると「看護師さん」が丁寧に対応して頂けました。ちょっとした不安にも親身になって対応して頂けました。夜間・休日など病状の変化を認めた時には「訪問看護師さん」に電話をしました。深夜にも関わらず適切なアドバイスをして頂けました。医師の往診は当初2週間に1回の頻度でしたが、終末期に近くなると毎週往診して頂けました。病状が不安定な時期には毎日、電話連絡をして安否を気遣ってくれました。また、出勤前や帰宅途中に短時間ですが訪ねて来て励ましてくれました。休日の夕方から病状が急変し、訪問看護師に連絡を入れて来てもらいました。厳しい状況であったので医師に往診を依頼しました。ケアマネさんも来てくれました。大勢の家族に看取られながら臨終を迎える事が出来ました。安らに眠っているお婆ちゃんの顔はまるで菩薩様のようでした。

 「終末期を迎える患者と家族」に対して多くのスタッフがそれぞれの専門的立場から関わる事で安心して「在宅でのお迎え」が出来ると思います。一人で抱え込まないでみなで問題点を共有して対応する事が「チーム医療」だと思います。安心してください。