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漢方の話…すててこを 許し給へや 盆の酒(滝沢伊代次)

  鉄砲洲診療所 医師
  沖山 明彦

 

 「生協だより」は9月号だが、ここだけ8月の話。旧暦で「盛秋」だが新暦では「晩夏」。それより古語の「はづき」が好きです。八月、月遅れの「盆料理」での会食を含め、八月、農閑期の開放的気分を、「八月大名」ともいい、そこでの一杯が上の句です

 「さて、漢方では、人間の生理機能は五臓(肝・心・脾・肺・腎)が中心との考えがあり、気候・季節で変わりますが、年齢と病の関係もその見方をします。

 35歳前後は五臓の機能は強健で活動も安定し、40歳以降は最高峰、然し、一部ここから下降が始まるといわれます。「40歳前は人が病気を探し、それ以降は病気が人を探す」。50歳以降は「肝」が衰退、60歳以降は「心」が低下、70歳では「肺」が虚弱になり、80歳を超えて90歳にむかうと「腎」の気も衰え五臓全体の機能が弱ります。

 「腎」気は、人間の動作に力を与え、動きを活発にします。「腎」は精気を貯蔵し、人の発育、生まれて後の生命の根源となります。「腎」気の不足は、老化を早め、生長発育を遅らせ、性機能も低下させ、不妊の原因になります。

 また、人間の骨髄、脳もみな「腎」につかさどられています。髄は骨を養い、骨は髄を貯蔵し、髄は脳に通じています。「脳は髄の海」と呼ばれます。従って、「腎」虚になると、骨がもろくなり、腰・膝は痛みもだるく、しびれ、ふらつきやすく、動作も鈍くなります。頭がぼんやりし、めまい、記憶力減退がみられます。また、「腎」は耳と二便にも関係し、「腎」虚になると難聴、耳鳴り、大小便の失禁もみられます。「腎」は体内の水液のバランスを調節しており、「腎」の不足は排尿困難やむくみを起こします。一部「肺」にも関係し、「腎」虚は息切れも起こします。

 さて、高齢者が増えるなかで、高齢者をとらえる「フレイル」とか「サルコペニア(加齢性筋肉減少症)」、あるいはそれらを含んだ「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」などのみかたが登場してきました。そこに、漢方での「腎虚(じんきょ)」のみかたで接近しようという試みがされています。代表的なものは、「八味地黄丸(はち みじおうがん)」で、下肢のしびれ・冷え・むくみ・腰痛・筋力低下・ふらつき・頻尿・こむら返りの症状に用います。そこに利水と温める2種類の生薬を加えた「午車腎気丸(ごしゃじんきがん)」もあります。両者とも、もちろん補腎剤です。その他、「腎虚」に用いる漢方は数種ありますが省略します。

 小豆島に行く機会があり、そこの馬道にある蔵元「森國酒造」を訪ねました。佃煮工場の後を高松から越してきて、小豆島で唯一のちいさな酒蔵を立ち上げた由です。父上が早くなくなり、母上と二人の姉妹で頑張っています。お酒の味は?飲むと「ふわふわ」して 「ふふふ」の感じ。その後は「うとうと」。これが試飲した酒の名前。