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歯の話…歯の脱臼について
鬼子母神診療所歯科
歯科科長 神田 剛

ある日の診療終了間際、マスクを装着した女性が来院した。自転車とぶつかり歯が抜けたとのこと。
診察すると、左上の2番目の歯がありませんでした。歯はどうしたのか聞いたところ家にあるとのこと、電話をかけて夫にもってきてもらい、幸いなことに骨、抜けた歯とともに問題ないので再植し両隣の歯と固定した。後日、歯髄(歯の神経)処置し、3年後の今も問題なく経過している。

事故や運動時に歯が欠けたり、抜けてしまった場合は、可能ならば見つけて歯科医院を受診してください。出血があるときはガーゼやハンカチで圧迫すると多くの場合止まります。
特に歯が抜けてしまった際は、唾液、牛乳、生理食塩液などにつけてください。乾燥状態が長いと歯根周囲の歯根膜が死に、予後が不良になります。歯根をゴシゴシ拭いて歯根膜を取るのもよくありません。歯周病が進んでいる歯は対象外。
また、歯根が破折したり骨がダメージを受けている場合、固定や安静が困難な場合、歯が抜けて時間が長い場合などは再植ができないこともあります。外傷時歯に異常がなくても噛み合わせに異常が出た場合、骨折の可能性があるので検査が必要です。

昨年、隅田川医療相談会の時、近くで自転車がガードレールにぶつかり女性が倒れているとのことで相談会の内科医に応援を求められました。救急車が来るまで意識の有無、血圧などのバイタルチェックをしました。
私が診たところ口腔からの出血は、ほぼ止まっていましたが、歯冠折歯がみとめられ右上の犬歯がありませんでした。近くを探し、見つけました。破折もないため、到着した救急車の隊員に歯を生理食塩水につけ病院の先生へ渡すように指示しましたが、どうなったのでしょう。救急病院に歯科医が常駐しているところはまれのようです。