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漢方の話…花の山形 紅葉の天童……(花笠踊り)
鉄砲洲診療所
沖山 明彦 医師

夏至の日から11日目(7月1日〜6日頃)を「半夏生(はんげしょう)ず」と言います。「半夏」はサトイモ科で「カラスビシャク」と呼ばれ田植えが終わった畔(あぜ)などに生えます。半夏は薬草でそれを売って糧にもなったので、「へそくり」といわれたことは以前紹介しました。尚、「ハンゲショウ(半化粧)」というドクダミ科の強い臭気の植物は別物です。この時期に降る雨を、田の神が天に昇って行くのに例え「半夏(はんげ)雨(あめ)」と占いました。山形県村山地方では、春の彼岸に種を蒔いた紅花が「半夏の一つ咲き」といって、半夏の頃に咲き始めます。朝露のかわかない早朝、棘も柔らかなので畑にでて摘み、黄色の花を、ムロに入れてねかせると、発酵して赤い色になります。最上川船運で多くの紅花が「最上紅(もがみべに)」として、全国へ広がりました。交易と絡み紅花をめぐる一揆もありました。今は尾花沢周辺で広く栽培されています。

薬用としては、紅花の開花初期の黄色の多いときの管状花をそのまま風で乾燥したものを「紅花(こうか)」として用います。色素のカルタミン、サフロールイエローなどが含まれます。紅花の煎液(いえき)には血圧降下作用、免疫賦活(ふかつ)作用、抗炎症作用などがあります。漢方では月経異常や腹部のしこり、脳血管障害、瘀血(おけつ)(血(けつ)の流れの滞り)による痛みなどに用います。紅花を含む漢方には、「通導散(つうどうさん)」があります。比較的体力があり、下腹部に圧痛があり、便秘しがちなものの、月経不順、月経痛、更年期障害、打撲(昔の刑罰での百叩きなども)、高血圧に伴う頭痛、めまい、肩こりに適応があります。婦人病の聖薬の「四物湯(しもつとう)」は皮膚の乾燥した人の貧血を補い、血行をよくしますが、これに紅花を配合することもあります。

5月連休で山形天童を訪れました。将棋駒生産の始まりが、困窮していた天童藩の財政立て直しのため、若き重役吉田大八(よしだだいはち)が下級武士に誇りをもたせた内職の奨励からであったとか。広重は江戸八重洲で定火消(じょうひけし)同心職を譲り、後、浮世絵師「歌川広重」になり財政困窮の天童藩を救済するため藩医の養成に応え、肉筆画で援助し、「天童広重」と敬われているとか。さて、設楽酒造は、名水百選「月山自然水」から「銀嶺月山(ぎんれいがっさん)」を醸すが、地元でしか飲めないすっきりした鶴の「一声(ひとこえ)」を。同社に保存されている廃線「三山線(さんざんせん)」車両に一献。