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介護の現場から…「おせっかいをやく」関係づくりが大事
介護事業部
齋藤 惠子

「あなたは、最後をどこで迎えたいですか」の問いに約7割の人が自宅と答えています(2013年厚生労働省「人生の最後の段階における医療に関する意識調査」)。しかし、現在8割の方は病院で亡くなっています。また自宅での最後を望む人の半数は、「自宅での最後は無理」と回答しています。
1人暮らし高齢者、老々世帯、家族が同居していても仕事と介護の両立が難しいなどの理由で、希望と現実のギャップが生まれています。さまざまな調査で数値の差はありますが、実態に近い回答だと感じています。

2018年介護報酬の改定の概要では、「団塊の世代が75才以上となる2025年に向けて、国民の1人1人が状態に応じた適切なサービスを受けられるよう、質が高く効率的な介護の供給体制の整備を推進」としています。しかし改定の中身を見ると、訪問介護の生活支援サービス提供回数の標準化で回数制限が示され、要支援の利用者は生活支援総合事業へ移行されるなど介護保険サービスの利用が縮小されてきています。
そんな中、さまざまな困難をかかえた事例と出会い「家で暮らしたい」を叶えるため、ケアマネジャーや医療機関、介護事業所と連携しながら訪問看護のサービスを提供しています。訪問看護師の視点で、在宅介護の現状や課題を見ていきたいと思います。

東京保健生協には、文京、豊島、練馬、台東、中央区に9事業所の訪問看護ステーションがあり、利用者合計は1ヶ月800人です。高齢者だけでなく、小児や若い難病患者や、がん末期、精神疾患の方など幅広い年齢層の利用者を受け入れています。
医療や介護の利用に至らず、重症化して発見される事例にも出会います。近所の友人が最近姿が見えないと気にかけて様子を見に行ったところ、家で寝たきりになっていて、訪問看護師が訪問して清拭や着替えを行い往診した医師は入院を勧めました。本人はこのまま死にたいと入院を拒否していましたが、看護師や友人の親身の説得で入院となりました。
高齢者のひとり暮しや老々世帯、認知症の方など困難を抱えても相談する人もいない人へ手助けできる地域のつながりや「おせっかいをやく」関係がますます大事だと感じています。