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漢方の話…雀の子そこのけそこのけお馬が通る(一茶)
鉄砲洲診療所
沖山 明彦 医師

2月15日から3月5日頃までは「雨水」と呼ばれ、降る雨もぬるみ植物に力がよみがえる季節です。高見沢成富氏の「二十四節気植物秘話」から雨水の植物「水仙」を引用します。
水仙は「雪中花」の別名があり、春の訪れをいち早く告げる花とされます。ギリシャ神話でナルシスト(自己愛者)の語源となったナルキッソスの生まれ変わりの花としても有名です。花言葉も「うぬぼれ」「エゴイスト」など悪いイメージもありますが、いろいろな水仙の花言葉はそうでもありません。白色のものは「尊重」、黄色のものは「私のもとへ帰って」「愛に応えて」、ラッパ水仙は「尊敬」「心づかい」など。
「水仙」の漢字は中国起源ですが、植物の名前ではなく水中の道者や川の神のことで、水に入って花に化身した仙人からかと言われます。

水仙の球根には猛毒があり、食べると麻痺や昏睡(ナルケ)を起こします。漢方薬にはいろいろな剤型があります。浅岡俊之氏は著書で、「○○湯」というのは生薬を煎じて得られる湯液、「○○散」は生薬の粉末を直接服用するもの、「○○飲(子)」は湯液であるが少しずつ服用すべきもの、「○○丸」は濃縮した煎じ液や生薬を蜂蜜などで固めて丸薬にしたものと解説されています。
葛根湯など身体を温めるものは熱い湯液で服用するとより効果が強まります。当帰芍薬散などはエキス剤でも芳香をかいで散薬としての服用も勧められます。茯苓飲は吐き気や胸やけが強い時に用いられるので少しずつゆっくり服用します。八味地黄丸は乾地黄が胃にさわるので、蜂蜜で丸薬にし、徐放剤としています。食欲のない人への服用は要注意です。また酒で服用すると胃腸障害を起こさないとも。

年末・年始、群馬県応徳温泉、六合(くに)を訪れました。「美しい村」に選ばれた集落の一角に「道の駅」があり、そこの宿が「花まめ」でした。その「紫いんげん」と太い「入山きゅうり」漬物よりも生がうまいと宿の人の話。そして「六合ハム」が名物。道祖神と数軒の養蚕屋敷などに、ゆるく囲まれた静かな正月でした。
冒頭の一茶の句を金子兜太氏はこの句は慈愛の心にはなく生き物を生き物として見ている。冷えた眼があることを知るべきといわれています。飛躍して金子つながりでどうしても「車椅子、そこのけそこのけ戦車が通る」の満広さんの怒りの句にぶちあたります。おれの名前もUSAまで広まったかとは。
さて、1月休養中はご援助や励まし有難うございました。解禁となり、「尾瀬の雪どけ」を待ちながら。