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組合員実態調査結果報告(その5)

ひとり高齢者の生活実態と社会的ネットワークについて
1)ひとり暮らし高齢者の特徴

(1)性別・年齢
調査回答者のうち、65歳以上のひとり暮らし高齢者860ケースを対象として分析を行いました。
性別については、男性が16.6%、女性が83.4%で、女性の方が多い(表12)。調査回答者全体では、男性が3割、女性が7割であり、ひとり暮らし高齢者の場合には女性の割合が高いことがわかりました。
年齢については、65歳以上75歳未満の前期高齢者が28.0%、75歳以上の後期高齢者が72.0%で、後期高齢者の方が多い。それを性別と合わせて集計すると、男性は、前期高齢者がおよそ4割強、後期高齢者がおよそ5割半であったのが、女性は、前期高齢者が2割半、後期高齢者が7割半であり、女性の方が後期高齢者の割合が高いことがわかる。平均年齢は、男性は76.7歳、女性は78.9歳でした。

表12:【ひとり暮らし高齢者】年齢階層
※ 無回答は集計から除く。
  ケース数 %
65歳以上75歳未満 241 28.0%
75歳以上 619 72.0%
合計 860 100.0%

(2)居住する地域と住宅の種類
ひとり暮らし高齢者の割合が比較的高い地区は豊島区、中央区で3割半前後を占めています。以下、文京区、台東区、新宿区は3割を少し超えた程度、練馬区は3割弱でした。
また、男性の割合が高い地区は台東区で3割弱程度を占めた。他地区は1割から1割半程度でした。
住宅の種類について、65歳以上の回答者(2,779ケース)について、ひとり暮らし世帯とそれ以外の世帯で比較すると、ひとり暮らし世帯の持ち家率は7割強で、夫婦のみ世帯の8割半や、2世代・3世代・その他の世帯の9割に比べて低いことがわかりました。一方で、民間賃貸住宅や都営・区営・UR等の公的賃貸住宅に住む人の割合は、ひとり暮らし世帯が高く、1割前後を占めています。
続いて、65歳以上高齢者のひとり暮らし世帯のみを対象として住宅の種類を集計した際、性別による違いが見られました。「持ち家(一戸建て)」と「持ち家(分譲マンション)」を合わせた持ち家率は、男性は68.4%、女性は73.1%で、女性の方が高くなっています。また、都営・区営住宅やUR(都市再生機構)賃貸などの公的な賃貸住宅に居住する人の割合は、男性は1割、女性は1割半程度を占めており、女性の方が高くなっています。一方、民間賃貸住宅に居住する人の割合は、男性は2割を占め、女性は1割にも満ちていません。女性は持ち家率が高く、また、公的な賃貸住宅に居住する人が多く、男性は、女性に比べると持ち家率が低く、また、民間の賃貸住宅に居住する人の割合が高いことがわかりました。

(3)健康の状況と介護保険
健康の状況については、7割強の人が健康であると回答し、健康ではないと回答した人は2割半程度でした。介護保険サービスを利用している人の割合は、およそ2割でした。要介護度については、要支援1と要支援2が合計で5割半程度を占め、次いで要介護1が2割でした。

(4)もっとも長く従事した職業について
これまで最も長く従事した職業については、男性は「民間企業の正社員」が最も多く4割半を占め、次いで「自営業」が3割弱でした。女性は、「民間企業の正社員」はおよそ3割、「自営業」は2割で、「仕事をしていなかった(専業主婦を含む)」が1割半でした。


2)ひとり暮らし高齢者の生活と経済状況
(1)外出頻度と交通手段

外出頻度は、週に4回以上外出する人が全体の6割半を占めた。男性は6割弱、女性は6割半程度でした。
外出時の交通手段は、男女ともに徒歩が多く6割強から7割強を占めています。そのほか、男性は「自転車」(42.9%)や「自家用車」(12.0%)などの割合が女性より高くなつています。一方、女性は、「バス」(59.9%)や「電車」(50.1%)などの公共交通機関を利用する人の割合が男性より高いことがわかりました。

(2)収入と経済状況
年間収入について、男女ともに「200万円以上400万円未満」が最も高く、男性はおよそ4割、女性はおよそ3割でした。年間収入が200万円未満の人は、男性は49.1%とおよそ半分を占め、女性は62.6%で6割を超えています。全体的に、男性の方が収入額が高い方に寄っています(表13)。
年間収入を4つに区分し、それぞれの主な収入源について集計しました。年間収入が700万円以上の世帯では、「年金」(7割半)のほか、「利子、配当、家賃、地代」が9割弱を占めています。そのほかの世帯では、「年金」が9割以上を占めた。年間収入が200万円未満の世帯では、年金が9割強であったほかは、「預貯金のとり崩し」が3割強で他の世帯よりも高い割合を占め、また、「生活保護」が5%でした。
経済状況の感じ方については、性別による差は見られず、男女ともに、2割程度の人が、経済状況が苦しいと感じています。

表13:【ひとり暮らし高齢者】世帯の1年間の収入
※ 無回答は集計から除く。
  ケース数 %
200万円未満 476 60.6%
200万円以上400万円未満 244 31.0%
400万円以上700万円未満 50 6.4%
700万円以上 16 2.0%
合計 786 100.0%

(3)医療費の支払い・住む場所を失うことへの不安や心配
医療費の支払いについて不安に感じている人の割合は、全回答者のおよそ4分の1を占めています。そのうち、65歳以上のひとり暮らし高齢者についてクロス集計を行いました。
まずは健康状態について見てみました。医療費の支払いについて不安がある場合、健康状態が良い人の割合はおよそ2割、良くない人の割合は4割半程度でした。一方、医療費の支払いについて不安がない場合には、健康状態が良い人が4割強、良くない人が2割でした。医療費の支払いに対して「不安がある」人の方が、「不安がない」と回答した人に比べて、健康状態が悪い人の割合が高いことがわかります(表14)。
次に年間収入と経済状況の感じ方について調べました。医療費の支払いに不安がある場合、年間収入が200万円未満の人の割合が7割半にものぼり、経済状況が苦しいと感じる人の割合が4割強を占めました。一方、医療費の支払いに不安がない場合には、年間収入が200万円未満の人の割合は5割半、経済状況が苦しいと感じる人の割合は1割強でした。医療費の支払いについて不安を感じている人は、収入が少なく、かつ経済状況が苦しいと感じている人が多いことがわかりました。
同様に、住む場所がなくなる心配をした経験の有無について見てみました。全回答者では1割の人が、住む場所がなくなる心配をした経験があると回答している。65歳以上の回答者に限定し、世帯類型別に集計すると、夫婦のみ世帯や二世代・三世代・その他世帯においては、住む場所がなくなる心配をした経験のある人は1割弱でしたが、ひとり暮らし世帯の場合には1割を超えて13%でした。
対象を65歳以上のひとり暮らし高齢者に限定し、住む場所がなくなる心配をした経験の有無別に、住宅の種類、年間収入、経済状況の感じ方について集計しました。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、「持ち家(一戸建て)」と「持ち家(分譲マンション)」を合わせた持ち家に居住する人の割合が4割強にとどまり、民間賃貸住宅に居住する人の割合が3割半を占めました。住む場所がなくなる心配をした経験がない場合には、持ち家率は8割弱にのぼり、民間賃貸住宅に居住する人の割合は1割弱である。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、持ち家率が低く、民間賃貸住宅に住む人の割合が高いことがわかりました。
また、住む場所がなくなる心配をした経験がある場合、年間収入が200万円未満の人が7割半を占め、経済状況が苦しいと感じる人が5割にのぼりました。住む場所がなくなる心配をした経験がない場合には、年間収入が200万円未満の人は6割弱であり、経済状況が苦しいと感じる人は1割半でした。住む場所がなくなる心配をした経験のある人は、収入が少なく、かつ経済状況が苦しいと感じている人が多いことがわかりました。

表14:【ひとり暮らし高齢者】医療費の支払いへの不安の有無×健康状態
※ 無回答は集計から除く。X2=55.901 自由度=4 p=0.000** **p<0.01
  はい(不安がある) いいえ(不安はない) 合計
ケース数 % ケース数 % ケース数 %
良い 11 5.7% 107 17.5% 118 14.6%
まあ良い 29 15.0% 162 26.4% 191 23.7%
普通 68 35.2% 223 36.4% 291 36.1%
あまり良くない 64 33.2% 92 15.0% 156 19.4%
良くない 21 10.9% 29 4.7% 50 6.2%
合計 193 100.0% 613 100.0% 806 100.0%