ニュース&トピックス

効果があります〜フレイル予防活動〜
ご一緒に始めましょう!

フレイルとは「加齢とともに心身の活力が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり生活機能が障害され、心身の脆弱化が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により生活機能の維持向上が可能な状態」と定義されています(厚生労働省研究班)。
私たち東京保健生協では、2018年度から、このフレイル予防に取り組んでいます。今回は、フレイル予防の進捗状況と効果について報告します。


毎週月曜開催「ひよりクラブ」(文京区)

延べ1,209名がフレイル予防保健講座、班会に参加
2018年5月、組織部に理学療法士が配属されました。仲間づくりを通じた地域での健康づくりを目指して、専門職がフレイル予防の普及に取り組み始めました。6月から12月までの半年間でフレイル予防のための保健講座や班会を59回実施、延べ1,209名が参加しました。

フレイル予防リーダー119名誕生
2018年8月より文京、台東、練馬、中央、新宿の5つの協議会でフレイル予防リーダー養成を行い、119名の組合員フレイル予防リーダーが誕生しました。12月から今年1月初旬にかけてフレイル予防リーダーにアンケートを実施し、フレイル予防リーダーの活動状況を調査しました。回収率は65%でした。
フレイル予防リーダーとして42名が実際に活動を開始しています。2月中旬にフレイル予防リーダー交流会を開催し、リーダーとしての意識や経験の共有を行いました。今後は、リーダーフォローアップ研修も行う予定です。フレイル予防を実践している支部や班は29班でした。開催頻度は月1回が最も多く(50%)、参加人数は10〜15名が最も多い状況でした(44.1%)。

効果上がるフレイル予防〜ヘルスチャレンジの結果から〜
2018年ヘルスチャレンジにも「フレイル予防(運動編)」を加え、運動機能(2歩幅値、握力)をチャレンジ前後に測定しフレイル予防の取り組みの効果を検証しました。2歩幅値は下肢の柔軟性と筋力、握力は全身の筋力を反映するものです。
運動機能測定に参加した協議会は、台東、中央、練馬、文京の4つでした。ヘルスチャレンジ前の9月下旬とチャレンジ終了後の12月上旬にそれぞれの地区で測定会を行いました。測定会には77名が参加しましたが、前後両方とも測定に参加された方は34名でした。34名を文京区16名、文京区外(台東・中央・練馬)18名に分けて運動機能の改善率を見てみました(下図) (ヘルスチャレンジ前の値に、文京区在住者と文京区以外在住者との間に有意な差は認められなかった)。

2歩幅値では、文京区は有意な改善が見られましたが、文京区外は有意な改善は見られませんでした。握力では、文京区、文京区外共に有意な改善は見られませんでした。しかも、文京区外の握力はヘルスチャレンジ前後で低下がみられました。ヘルスチャレンジ中に、握力の低下がみられたのは衝撃的でした。厚生労働省2017年高齢者の体力の経時的変化では、握力を含めた10項目の運動機能に加齢による低下がみられており、積極的なフレイル予防の取り組みの重要性が示されています。積極的なフレイル予防の取り組み事例として挙げられるのが、「ひよりクラブ」です。健生病院裏の陽和(ひより)ハウスで毎週月曜日にフレイル予防プログラムを行っています。ひよりクラブの参加者12名もヘルスチャレンジの前後測定を行いました。結果は、2歩幅値、握力ともに有意な改善がみられました。
以上の結果から分かることは、次の3点です。

  1. ヘルスチャレンジのフレイル予防コース登録者は文京区在住者の参加が多く、フレイル予防への関心が高いと言える。
  2. 文京区は東京保健生協の組織部があり、専門職と顔を合わせる機会が多く、健康相談や指導が行きわたり易い。
  3. フレイル予防は積極的に行うことで効果が出やすい。

健康づくりは組合員主体で行われやすいように専門職が活動を後押ししたり、リードすることが大切であることが示されました。近年、医療現場においても、疾病やけがの治療のみならず、予防や健康づくりといったヘルスサービスの方向転換がみられています(WHO)。専門職による地域に根差した健康づくりの必要性が今回のフレイル予防の取り組みで示されました。