ニュース&トピックス

組合員実態調査結果報告(最終回)

調査から言えること
ここでは、1)65歳以上でひとり暮らしをしている組合員の生活実態について、2)地域活動および東京保健生協活動への参加状況についての2つを柱として、調査から見えたことをまとめを行います。
1)については、回答者の多くを高齢者が占めていることから、東京保健生協の今後の組合員活動を検討する際に、高齢者の生活実態からそのニーズを捉えることが肝要であると考え、設定しました。なかでも、とくにひとり暮らし高齢者に注目したのは、生活支援の対象となりやすい傾向にあるからです。
2)については、東京保健生協の組合員活動の中心的担い手が70代であることを踏まえ、今後の活動の拡充や発展を考える際に、まずは現在活動に参加している人々の特徴を捉えること、そして、次世代の担い手としての60代以下の状況や意向を把握することが肝要と考え、分析の柱としました。

1)65歳以上ひとり暮らし高齢者の生活実態と社会的ネットワーク

(1)性別と年齢―ひとり暮らし高齢者の8割が女性
本調査の回答者のうち、ひとり暮らし高齢者は860ケースで、全体のおよそ2割を占めています。65歳以上の回答者(2,779ケース)に占める割合は31.0%でした。そのうち、8割以上が女性でした。以下では、とくに性別による違いに注目しながら分析を行いました。

(2)収入と経済状況―年間200万円未満の人が5割以上
1年間の収入額は、男性よりも女性の方が低い方に寄っています。経済状況の感じ方については、男女差はありませんが、男女ともおよそ2割の人が、経済的に苦しいと回答しています。年間収入が200万円に満たない人の割合は、男性はおよそ5割、女性は6割を超えています。その多くは年金収入と預貯金の取り崩しに頼っており、生活保護を受給していると回答した人は、5%でした。
住宅と並び、生活を支えていくのは収入です。女性や自営業者であった人など、国民年金のみの受給では、ひとり暮らしの生活を支えるのには心許ない状況です。しかし生活保護の受給率は低く、預貯金の取り崩しなどで賄っている現状が見えました。

(3)家族とのつながりと緊急時支援―男性は家族との連絡頻度が低い
同居していない家族との連絡頻度については、75歳未満の前期高齢者よりも、75歳以上の後期高齢者の方が、その頻度が高くなる傾向となっています。また、男性よりも女性の方が、連絡したり会って話したりする頻度が高くなっています。
また、病気等の緊急時に支援してくれる人の有無について男女別に集計したところ、支援者が「いない」人の割合は、女性は13.7%、男性は28.8%にも上りました。また、緊急時の支援者の種類については、「子ども」と回答した人の割合が、女性は6割弱でしたが、男性は4割強にとどまり、性別によって差が見られました。
普段から連絡を取り合う関係性があれば、困ったときにすぐに支援してもらうことができる。そうした関係性に弱さが見られるのがひとり暮らしの男性であるということは、ひとり暮らし高齢者の支援を考えていく際に、留意するべき点と考えられます。

(4)友人・近隣とのつながり―男性は近所づきあいが希薄な人が多い
ひとり暮らしの生活を支える社会的ネットワークとして、家族・親族のほかに挙げられるのが、友人や近隣です。親しくしている友人・知人がいない人の割合は、男女別に見ると男性の方が高くなつています。男性は、親しくしている友人が「いない」人が3割弱にのぼっています。女性の場合は1割であることを考えると、相当に高い割合です。また、近所づきあいについても、男性の方が女性よりも希薄となっています。ひとり暮らし高齢者は、夫婦世帯や親子世帯等に比べて、比較的親密に近所づきあいをする傾向にあります。
回答者全体の傾向として、生協活動に参加している人は、近所づきあいが親密な人の割合が高く。ひとり暮らし高齢者についても同様で、生協活動に参加している人の方が、比較的親密に近所づきあいをしていることがわかりました。ひとり暮らし男性に対して、生協活動への参加と近所づきあいのプラスの関係性については、今後の活動の展開を考える上で、ひとつの示唆を与えていると考えられます。

(5)東京保健生協活動と社会参加―4割前後が生協活動に参加
ひとり暮らし高齢者の4割前後が、東京保健生協の何らかの活動に参加しています。男女とも「班活動」への参加が最も多く、そのほか、女性はさまざまな活動に参加しています。先に述べたように、東京保健生協の活動に参加している人は、近所づきあいが比較的親密な傾向にあるほか、地域の団体や集まりに参加している人の割合も高くなっています。
地域の活動に参加していない理由として、「一緒に参加する仲間や友人がいない」と回答した人が2割弱、「興味をひくものがない」と回答した人が2割半程度となっています。このことは、今後、生協活動のさらなる発展を見据えた取り組みを検討する際にも、プログラムやアプローチの工夫に活かすことができるのではないかと考えられます。

2)地域活動・東京保健生協活動への参加状況と今後の展開
(1)活動者の特徴―性別・年齢

本調査の回答者のうち、東京保健生協の活動に参加している人は4割半を占めています。その年齢階層は、70歳以上の人がおよそ7割を占め、全体的に年齢が高い方に寄っています。
また、回答者全体の男女の比率はおよそ3対7で、女性の方が多く、東京保健生協の活動に参加している人の場合には、およそ2.5対7.5となり、さらに女性の割合が高くなっています。
以下では、東京保健生協の活動や地域での社会参加活動、そして社会的ネットワークの状況について見てみました。

(2)東京保健生協活動への参加と友人・近隣関係
東京保健生協活動への参加有無別に、親しくしている友人・知人の有無について見ると、生協活動に参加している人は、友人がいる人の割合が9割以上にのぼるのに対して、参加していない場合には、8割強でした。回答者全体では、親しくしている友人がいる人の割合は8割強であることからも、生協活動に参加している人は、友人のいる人の割合が高いことがわかります。
また、近所づきあいについては、生協活動に参加している人の方がやや親密につきあう傾向にあります。

(3)東京保健生協活動への参加と地域活動
東京保健生協の活動に参加している人は、地域の団体や集まりにも参加する人が多いことがわかりました。選択肢のひとつに「社会活動」として生協活動が含まれていることも影響していると考えられますが、生協活動に参加している場合には、地域活動に参加していない人の割合が2割弱ですが、生協活動に参加していない場合には4割を超えています。また、生協活動に参加している人は、「社会活動」以外にも、趣味の会や健康づくりの活動など、いろいろな活動に参加する傾向にあります。生協活動が地域活動への入り口になったり、またその逆もあるのではないだろうと考えられます。

(4)東京保健生協活動への参加と地域の居場所(サロン)づくり
東京保健生協による地域の居場所(サロン)づくりについては、生協活動に参加している人の方が、利用したいと考える人の割合が高くなっています。生協活動に参加している場合、地域の居場所(サロン)に参加したいと考える人の割合は7割を超え、生協活動に参加していない場合の4割強を大きく上回っています。ただし、生協活動に参加していない人のうち、「参加したくない」と回答する人はわずか6%で、半数は「わからない」と回答しています。生協活動に参加していない人は、東京保健生協の活動やサービスへの満足度についても低めの傾向があります。それは、接触する機会がないために、内容を知ることができていないことの現れだと考えられます。今後、生協活動への組合員の参加促進や、サロン活動の展開を考える際に、留意しておくべきです。

(5)40代から60代の参加状況と今後の展開
東京保健生協の活動をより大きく展開していくためには、60代以下の若い世代の参加が求められます。その40代から60代は、近所づきあいが希薄であり、生協活動に参加していない人の割合も6割半前後で高くなっています。この年代は、現役で仕事をしている人が多いと考えられ、生活の範囲が、地域よりも職場等を中心として広がっているのではないかと考えられます。40代から60代の場合には、近所の人が1割半、学生時代からの友人が2割強、職場の人が2割半、趣味やスポーツの仲間が2割強でした。この内訳は、40代から60代の年代によっても異なり、年代が上がるごとに、学生時代や職場の友人の比率が下がり、趣味やスポーツの仲間、近所の人の割合が高くなっています。このように、仕事や子育てに忙しい年代である40代と、仕事の責任が重くなってくる50代、定年退職者が増える60代とでは、社会生活のなかでの人的ネットワークが異なっています。それぞれの生活やネットワークの中心地点の違いを踏まえて、どの年代にどのようにアプローチをして生協活動や地域活動への参加を促進していくのかを考えることが肝要です。
生協活動に参加している人は、地域の居場所(サロン)に参加したいと考える人の割合が6割半と高く、そこには性別による差はありません。東京保健生協の活動に参加している人は、組合員活動のみならず東京保健生協のサービスに対する満足度も比較的高くなっています。生協活動への参加がひとつのキイあるいは入り口となって、さらなる参加の促進につながっている面があるといえます。
東京保健生協の組合員活動の発展・充実を見据えたとき、地域にどのようなニーズがあり、どんな活動が求められているのかを考えるとともに、現在活動に参加していない層に対してどのようなアプローチが有効となるのか、性別や年齢を中心軸としてその特徴を捉えていくことが肝要だと考えられます。地域に根ざした東京保健生協の活動の展開が、地域のつながりをゆたかに育み、地域住民の生活支援の輪を紡いでいくことにつながると考えます。