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病気の話----インフルエンザとの戦い方

大泉生協病院・小児科部長
齋藤文洋

新型とはどういうインフルエンザか

 今大騒ぎの新型インフルエンザ。しかし、これとて所詮はインフルエンザ。今、新しくても、いずれは普通の季節性インフルエンザと化して行きます。そしてソ連型や香港型等と言うのと同様にメキシコ型とでも呼ばれるようになるでしょう。その時期が何時なのか?10年後?20年後?いえいえ、そんな遠い話ではありません。もう今年の冬のシーズンには今までの季節性に取って代わるかもしれません。来年にはほぼ確実でしょう。ここ数年内には季節性と化すのです。実際、今、流行期に入っている南半球では新型が主流となりつつあるとの情報もあります。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の発表では軽くて病院にかかっていない人を含めて、既にアメリカ国内で10万人以上が感染しているだろうと予測しています。「感染が広がるのを押さえ込む」ことはもう出来ないのです。世界全体が今この状態にあります。これがWHOの言うパンデミック(レベル6)と言う事です。
 ではこれからどうすれば良いのか。これからすべき事は罹らないように努力するだけではなく、「罹っても軽く済むにはどうするのか」を考えなくてはいけません。
 幸い今回の「新型」は弱毒型といわれ、死亡率も0.5〜1%程度と言われます。これは今までの季節性のインフルエンザとさほど変わらない強さです。ですから、過去のインフルエンザ対策から学ぶ事が出来ます。

新しい展開です

 厚労省が6月25日に「発熱外来のほか、全ての医療機関で発熱患者の診療を実施」と言う通知を出したのです。これを受けて東京都は7月10日より発熱外来を中止。「すべての一般医療機関において外来診療を実施する」としました。つまり「新型」はほとんど「季節性」と同等に至ったのです。

ところで、我々は新型インフルエンザの何を知っているのでしょう

 6月、WHOのインフルエンザに関するハイレベル協議では「このインフルエンザウイルスについて唯一はっきりしていることは、何もはっきりしていない、ということである」と言っています。残念ながら「新型」について知るには待つしかありません。
 しかし、わかっていることもあります。若い年齢層で抗体(インフルエンザに対する抵抗力)が無く、感染拡大が起こり易いということです。1918〜19年のスペイン風邪でも同様なことが起こり、「人の集まり」を少なくした地域で被害が少なかったことも分かっています。日本の研究者は学校を休校にするなど若者の集まりを少なくすると感染拡大が緩やかになると予測しています。7月18日現在、世界で94512人の感染が確認され、数カ国から「タミフル」が効かない「新型」も報告されました。しかしインフルエンザはインフルエンザ。性質は多少違っても感染を予防し、罹っても軽くすむ方法は「季節性」と同じです。これなら我々は多くを知っているのです。(つづく)

※練馬の支部ニュースに2回にわたって掲載された「新型インフルエンザ」についての原稿を転載させていただきます(編集部)

今年はインフルエンザの大流行が予想されます。健診は早めに受けましょう。